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絶望的な気分は流れていき、屈折した憂鬱さも沈消した。
午前3時、ようやく自分の時間と呼べるような時間帯になる。
スピーカーからドアーズが流れている。
無感情に現象学入門の本を読む。
辺りが少し明るくなる頃に、集中力も失われる。
朝になってやることはない。浄化されたような気分だが、違和感を感じる。
空虚?
喪失感。ただそこに認識できないような意識の消失がある。一人で海を見ているような気分で僕は立たされている。
きっとこの時間帯なら、水のないプールがあり、無人のビルがあり、機能しない信号機というものがあるのだろう。探せば犬のいない犬小屋も見つけられるかもしれない。この時間の遊園地は素敵だろうなと思う。
僕はピアノでサティのジムノペディを奏でた。
この曲は僕の頭の中にある町のイメージに似ている。
単なる幾何学的な白いビルの集まりがあって、風が吹いてくる。
消費も生産もなく、そこだけで完結してしまってるような町。。
異っていうのかもしれない。人がいない、生物がいない。空間だけがただ残されている。
ドーナッツの穴だけがただそこに存在しているような町だ。
探せば周りを囲むように大きな白い壁があるのかもしれない。もしくは何もないのかもしれない。天井があるのかもしれない。
ジムノペディ。
物語を紡ぐように、そして無感情にっていうのが僕のジムノペディの弾きかただ。
決して感傷的になったり、ロマンティックに鍵盤を叩いてはいけない。
感覚が酔いしれるこの瞬間、生は恍惚なる解体が行われ、精神は無限な悦楽を得る。
その瞬間においては、僕のピアノが全世界を支配している。
「個人の意志は、透視状態の中に自ら入り行き、そういう状態において意志は、自己を、時間と空間の外部にあって世界の一にして全なるものと認識する。」
ワーグナーの言葉だ。
内面性による外界の支配。わたしという存在。死の前の死に等しい甘美な汎性愛的陶酔の瞬間だ。
しばらくして、蝉の鳴声や、バイクの音、遠くのトラックの音などを意識する。
朝を迎えなければならない。
シャワーを浴びて顔を念入りに洗おうと思う。時間をかけてコーヒーをつくろうと思う。抑揚のある音楽を掛けようと思う。
はい!久しぶりの更新です!皆さんいかがお過ごしでしょう!
ビールを断ちました!ネット廃人からも卒業しました!マスターベーションの回数も減りました!
今日図書館で本を読んでいたら、隣に中学生らしき女の子が座ってきました。
スタンダールの「赤と黒」でした。
僕がトーマス・マンに関する評論を読んでいて、彼女のことをすっかり忘れたころのことです
「ん・・・ん・・・・ん・・・」
と隣の僕に聞こえる程度の音量で喘ぎ始めたのです!ジーザス!
(喘ぎ声!?)
(むぁすとぅぁーベぃしぃぉん!?)
(指は・・・)(・・・・本にかかってる)
(まさか)
(まさかローターを入れたまま図書館にやってきた「いけない・・・こんな静かな図書館で私・・・感じちゃってる・・・・誰かに聞こえるかもしれない・・・・はぁはぁ」って感じのドM少女なのか!?)
(げ現実でこんなことがあるのか?)
(バイブの・・・音は?・・・・)(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)(聞こえない・・・。)
(・・・・・・・)(また喘いでる・・・)
(足をもぞもぞさせてる・・・・・。)(足を組みかえるな!)
(やばい・・・)(あっちもやばいけど、こっちもやばい・・・)(空間的にやばい・・)(息子が解放を求めている・・・・)
(静まれ!)(静まりたまえ!!)
とか雑念に支配されていると・・・・。
グググゥウゥゥゥゥゥゥ
彼女のお腹の音でしょう。ものすごい音が半径3mほどの空間を支配したのです。
(今の音・・・)(お腹の音!?)(直撃していたら・・・)(死!?)
臨場感あふれる戦闘シーンみたいな心理状態でした。
一回では終わりません。短いスパンのあとまたその怒涛ともいえるお腹の響きが轟くのです。
(・・・・・。)(その大砲で私と撃ち合うつもりかね?)
そしてまた
「ん・・・・・ん・・・・・」が比較的長いスパンで繰り返されます。
で静かに一言
「お腹すいた・・・」
(・・・・。いやまだわからん。敵の巧妙なカモフラージュかもしれない。現にさっきから10回以上足を組みなおしているのだ。)
こっちも必死でした。もう必死すぎでした。現象を解き明かそうとする科学者です。
しかしそんな時、彼女は立ち上がり、どこかへ消えてしまったのです。
(トイレか?)(WC?)(ウォッシュゥ?)(おーがずむ?)
もうそのとき僕は人間として最低のゲス野郎でした。
彼女の行方を見ていたのは僕だけではありませんでした。右隣の初老の紳士的な男性も、その隣のきったねぇポロシャツのオジサマも彼女が席を立ちどこかに行くのを眺めていました。
きっと我々は皆すべからく空間的な悩みを抱えているのだろう。と僕は思いました。
その日はついているのか、公園を散歩している途中で女子高生のパンツも拝めました。水色!水色!水色ォオッォォオ!
そして僕はストライプの下着をリアルタイムで見る日までは死なないと誓ったのでした。
また同時に夏の女性がらみのいいことはこれで終わってしまったんだろうなと高校最後の夏に悲しくなるのでした。