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 感染病とは何らかの微生物が宿主組織や宿主細胞内に感染し宿主の化学的(細胞のシステムそのもの)や物理的(熱など)環境を利用・消費することにより個体数を増やし、宿主由来の排泄物などを媒介し異なる個体に再び感染する事を繰り返す病気である。

生態学とは非生物的環境と生物的環境の相互作用を調べる学問で、その内容は特定の環境に共通する植物の植生を調べその法則性を見つける事…などである。


季節性インフルエンザ(≠トリ・ブタインフルエンザ)の感染拡大とかをかなりクソ真面目に社会生態学やら統計学やらと組み合わせて研究したら相当面白い事になるよな、と思う。

実際インフルエンザウイルスの感染拡大・縮小を数学的に研究してる人はいるんだけど、圧倒的にマイノリティで少数派なんだよ。一番肝心なのにね。

どんな事してるかっていうと、感染者が一人いたとしてそれが何人にウイルスを移す可能性があって、その移された人がまた何人に移す可能性があるか、とか研究する。または、全体の感染する可能性のある人間が何人でワクチンを使うとそのうち何%が感染を防げるか、とかを調べる。

全ての人間にワクチンを接種してX%が感染を未然に防ぐことができるという仮定において、ワクチンを全ての人間に接種するのに必要なコスト(経済的・人員的)に対して、ワクチンを全く接種しない場合の感染割合とその場合の感染者の治療に必要なコストを比較することができる。要するに、そのワクチンが経済的に効果的なのかそうでないのかを調べる事ができる。そしてワクチンというのは宿主・ウイルスが同じであった場合特別な技術革新がない限り効き目は変わらない。だからそういう比較が普遍的にできる。


この手の伝染病管理(ディジーズコントロール)はヒトを宿主とする感染病に留まらない。

狂牛病で『全頭検査』という言葉を耳にしたと思う。これは輸入する全ての牛を検査するというかなり手のかかる仕事で、アメリカは(たしか)これをやっていない。その代わりに異常プリオンの蓄積しやすい部位を切り落として輸出する、というようなことをしている。

全頭検査において重要な事、それは現在の検査技術・精度をベースとしたBSE感染牛の割合を測定する事である。BSE牛をシャットアウトしたいからではない。それは学術的に必要な観測であって、各国、地域、時期、生育環境、品種などと共に全部の個体を調べ上げてその数値をひねり出すという大掛かりな事業なのである。

なぜそのようなデータが必要かというと、観測データ無しに研究なんぞ出来ないからである。

このような研究は殆ど日の目を見ない。何故かと言うと…これは自分自身がその現場にいるからわかるのであるが…そのような生態学的研究よりも分子生物学的・細胞生物学的・遺伝子工学的な研究が流行(はや)っているからである。

iPS細胞とか再生医療とかよく聞くし研究者の間でも話題になる事はあるけど、正直分子生物学な技術革新に基づいた一時的な流行に感じる。いつまでこの流行が続くのやら。
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