微生物多様性問題

 あれ、おかしい。


有性生殖するした方が染色体がミックスされるのと染色体の組み換えが起きるので、変異の起こる確率が高まる。それにより多様性や個性を持たせ、遺伝情報の保存を有利にする。ここまではいい。


…しかし生命の多様性という観点では、明らかに無性生殖で増える微生物連中の方がバリエーションに富んでいる。

有性生殖する連中、つまりヒトや犬などの動物に植物は、酸素が無いと殆どの場合生きられないし、水が無くても駄目になる場合が多い。代謝できる物質も窒素などタンパク質合成において重要な物質さえ満足に得ることは出来ない。セルロースを代謝できる動物は存在しないし…。

ところが微生物というのは、尋常ならざる個性と多様性の幅広さを持っている。

その生活する場所は深海から極地、90度以上の熱湯中、ヒトなら即死級の放射線に晒されても平気でいるやつもいるし重金属を体に溜めるやつとかとにかく色んな場所で生きている。

しかも恐ろしい事に、大腸菌など1つの種類の微生物が世界中の色んな環境のところに住んでいたりするケースも珍しくは無い。

代謝できる物質も幅広い。窒素ガスの強靭な三重結合を解き、セルロースのβ結合を解き、強烈な増殖力と兼ね揃えることで世界中で産出されている生物死骸を分解し、二酸化炭素を生み出し…とにかく多様性という点ではこいつらは尋常ではない。



ちなみに実は多様性というのは俺の知ってるものでは2種類あって、遺伝的な違いと、生活様式の違いというのがある。遺伝的（もしくは分類学的に）全く異なる生物種のはずなのに殆ど同じ姿で同じ季節に同じ場所に栄える植物・動物などは珍しくはなく、むしろ遺伝的なものよりも生活様式によるものの多様性の方がわかりやすい。


もし上記の微生物の多様性が主に遺伝的なものであるとしたならば、微生物が無性生殖と接合により増殖していることを考えると不自然な気がする。しかし、単なる生活様式の多様性による違いだとしたら、それは不思議ではないかもしれない…？


うーん勉強不足だな